久美浜旅行と身近なものの大切さ。

風光明媚な場所というのは色々あるのだけど、観光地として定着していると、来ている人も多いし売っているものや食べるものも観光向けに用意されているものばかりでちょっと興ざめするということがある。だから、すごく素敵な場所だけど人が少なく、特に観光地の雰囲気があまりないところの方が圧倒的に好きだ。

そういう場所というのは総じて交通の便が悪く、行くのにすごく時間がかかる場所にあることが多かったり、交通の便はそこそこ良くても地元の人がその場所の魅力に気づかずに放置されていてその魅力が周りに伝わっていない場所であるかのどちらかしかない。

そのどちらも、少し寂れたような雰囲気があることが多いけど、そういうところの方が落ち着く。都会に住んでいると、都市部のお店なんてだいたい綺麗だし、最先端のデザインが取り入れられた店づくりはどこもしゃれた感じだけど、どこもなんとなく雰囲気が似ていて、おもしろくない。ぱっと見はきれいなんだけど、ハリボテのような感じがしてならない。全くの主観だけど。

そのせいなのか、歳をとったせいなのか、都市部のお店に足を運ぶことが年々減っている。都会の前のめりな雰囲気というか、積極的な感じが苦手だ。向かってくるエネルギーが強すぎて疲れる。もっとのんびりしたらいいのに、と僕なんかは思うけど、商売をしている側にとってはそういうわけにはいかないのかな。

 

そんな中、先週、久美浜に行ってきた。今回で2回目。前回は確か一昨年の10月くらいだったかなぁ。大阪がまだまだ暑かったし、天気も良かったから半袖で行ったらすごく寒かったという記憶があったので、少し暖かい格好で行ったら今度は逆に暑かった。最近、こんなことばっかりだなぁ。

 

 

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA*55mm F1.4 SDM ISO80 f4 1/1000

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA*55mm F1.4 SDM ISO80 f4 1/1000

 

久美浜というところはご存知の方も多いかもしれないけど、今はどちらかというと交通の便がすごく不便な場所にある。大阪からだと車で4時間くらいはかかるだろうか(今年の7月には丹波から京丹波わちまでの高速道路がつながるようなので、だいぶ便利になりそうだけど)。だからかどうかは分からないけど、そんなに観光地!という雰囲気があるわけではない。確かに温泉旅館が多く、冬場はカニを食べて温泉に入るという人が多く訪れたり、夏場は海水浴客でにぎわったりするようだけど、それ以外はこれといった魅力が伝わっていないようで、あまり人は多くなく、渋滞もない。

でも、むちゃくちゃ素敵な場所であることは間違いない。
一度行けば、その記憶は心に残り続けることになると思う。海がある街だから、自分の地元と雰囲気が似ているところも愛着を感じる理由の一つかもしれないけど、それにしたってこんなにきれいな場所を僕は他には知らない。

前にも書いたかもしれないけど、子供の頃に山の上のグランドで遊んでいた時に、近くのお寺に観光に来た都会の人がバスを降りるなり開口一番「あ〜、やっぱり田舎の空気ってきれいだなぁ…!!」と言ったのを聞いて、馬鹿にされたようで腹が立ったことをよく覚えているけど、今となってはその人の気持ちも分からなくはない。

空気と水がきれいであることがどれほど価値あることなのか、子供の頃は全く分からなかった。海岸でぼーっとしていることがすごく気持ちよかったり、風を気持ちいいと感じたりすることがなくなってしまった今となっては子供の頃の環境がすごく恋しくなったりする。大阪は建物ばっかりで空も狭いから、夕日がきれいだなーと思ってもなんかせせこましい感じがするし、風を気持ちよく感じることだってない。

 

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA*55mm F1.4 SDM ISO200 f8 1/500

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA*55mm F1.4 SDM ISO200 f8 1/500

 

都会の生活に慣れれしまった今となっては、実際に久美浜のような場所で暮らそうと思うと不便に感じることも多いかもしれない。でも、いつかはまたこういう場所で生活してみたいと思う。
やりたいこととか仕事のこととか、人それぞれ色んな理由があってそれぞれの場所に住んでるのだと思うけど、僕はできれば都市部でないところで過ごしたい。

田舎育ちだったから、東京には死ぬほど憧れていたし、田舎なんてなにもいいことない、くらいに思っていた時期もあったけど、田舎を離れて15年ほど過ぎた今になってその良さがわかるようになってきた。生まれた時からずっと同じ場所にいると、足元にある価値にはなかなか気づけないし、好きであったとしても他の場所と比較することもできないから、とにかく外に出てみたくてたまらなかった。

地元で過ごした時間と同じくらいの時間を都会で過ごしたことになるけど、今となっては都会に対する憧れなんて微塵もないし、むしろ逆に田舎の自然に魅力を感じるのだから無い物ねだりをしているだけなのかもしれないけど。
大学生の頃は、東京に多くの魅力を感じていたし、離れたくないと思ったりもしていたけど、今はもう二度と住みたいとは思わない。色々理由はあるけど、一言で言うと、性に合わなかったからだと思う。

 

もっと早くに気づくべきだったけど、やっぱり周りばっかり見て遠くを気にしているよりも、自分の足元をしっかり見て、身近にあるものの価値をしっかりと見出せることがとても大切。
生きていくうえで、自分を支えてくれるのは結局は身近な存在なんだと思う。身近な存在というのは物理的な距離だけではなくて、心の距離というか、遠くにいても繋がっていて大切な人もそう。
色んな場面で自分のことを考えてくれる人やいつも当たり前のようにある生活環境やものこそが本当に本当に大切で、頭では分かっているつもりでもそれを自分の行動に生かすことがなかなかできなかった。

身の回りの人や色んなものをしっかりと見て、大切することができればきっともっといい時間を過ごせるだろうし、そう心がけて行動するようにしないとなぁ、と久美浜旅行から帰ってきてよく考えているような気がする…。

 

そして、そういう人やものをしっかりと見つめながら写真にも残せていけるようにしたい。写真見てると自分が何を見てたのかがよく分かる。見てるようで見てないことがまだまだほとんどだ…。

自分の視線や気持ちが残る写真をもっともっとしっかり撮れるようになりたいなぁ。

 

 

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