古いフィルムカメラは大切に。

少し前の話ではあるけど、コシナが生産するフォクトレンダーブランドのレンジファインダーフィルムカメラ「bessa」が生産終了になったとの発表があった。メーカーのページはこちら

今、新品で買えるフィルムカメラは、ニコンのF6、F10、キャノンのEOS1-v、ライカのM7、MP、M-A。中判カメラでフジのGF670というのもあるけれど。あとはLomographyのカメラくらいかなぁ。

もう5、6年前になるけど、アウトレットにあるニコンのお店の店員さんから「F6」はまもなく生産終了になる、と聞いたのだけど、まだ正式発表されていないみたい。でも、もしかしたら新たに製造はしていないのかなぁ。新品で買う人なんてどれほどいるか分からないし、在庫だけでことたりているのかもしれないし。

今は新品のフィルムカメラなんてほとんど売れていないんだろうなぁ…。

デジタル一眼の入門機の方が安いし、ランニングコストもいい。フィルムを積極的に使いたいという思いがなければフィルムカメラを買おうとする動機がまずない。
フィルムカメラを買おうとしても、新品で買うよりも中古で買った方が安いし、どうせフィルムで撮るならフルマニュアルで撮りたいと思えば、中古でニコンのFM2とかF3あたりを買おうとするのがよくあるパターンだと思う。

かくいう僕も新品でフィルムカメラを買ったことがない。
今手元にある35ミリのマニュアルフォーカスカメラはPENTAX MXなんだけど、随分古いカメラだということもあって、買った時から外観の痛みがそこそこあった。状態の良いマニュアルフォーカスカメラも少しずつ減ってきてるんだろうなぁ。
新品のフィルムカメラがどんどんなくなっているから、考えてみれば当然で、いつまでもいい状態の中古カメラが選べるわけではない。
PENTAX67だって少し前に比べると流通してる量が減ってる感じがするし、少し中古価格も上がってきているような印象がある。

 

 

PENTAX MZ-5N smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ACROS100

PENTAX MZ-5N smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ACROS100

 

 

でもまぁ、新品のフィルムカメラが売れないのは当然だと思うし、そもそも大型の家電量販店やカメラ専門店に行っても、新品のフィルムカメラ売り場なんてほぼない。せいぜいチェキが売っているくらい。
ここにきて、ライカが新型のM型ライカを発売したけど、ライカはメーカーもユーザーも特殊というか、ライカだからこそできることで、他のメーカーではまず真似できないことだと思う。今、積極的にフィルムで撮ろうっていうユーザー層は大きくないだろうし、そういうユーザーでライカ使っている人って結構多いのではないかと思う。

僕もライカいいなぁ、といつも思うのだけど、さすがに価格的に手を出せない。あの金額を出すならデジタルを買った方がいいのではないかという思いがどうしても頭をよぎってしまうので。

そうすると、フィルムカメラってこのままどんどん少なくなっていって、それに伴ってユーザーも減り、使用されるフィルムが減ると供給される量が減ったり、価格が上がったりして、いつかは無くなってしまうのではないかという不安は大きくなるばかり。

写真としては、くっきりはっきり写った方が正確だとは思うし、最近のデジタルの方が、解像感も階調性もいいと感じることは多々ある。デジタルなら、現像でフィルム写真っぽく仕上げることだってできてしまうわけだから、ますますフィルムで撮るということの意味が薄れてきている部分があるような気もしている。

メーカーとしてはフィルムカメラを開発・発売するのはメリットがほとんどないだろうし、もしかしたら部品調達の面から製造すること自体がもう困難になっているのかもしれない。

 

 

PENTAX MZ-5N smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ACROS100

PENTAX MZ-5N smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ACROS100

 

 

それでもフィルム写真がいいと感じる部分はどこにあるのか。

もう何回も書いている気がするけど、フィルム写真というのは(特に古いマニュアル機の場合)、巻き上げるのが楽しかったり、シャッターの感触が気持ち良かったりと、カメラそのものを扱う楽しさにおいては最新のデジタル一眼とはまた違った良さがある。
マニュアルフォーカスの一眼レフの場合、ピントのヤマがつかみやすいように、大きく見やすいファインダーになっているから、少し暗い場合もあるけど、ファインダーを覗いていて気持ちが良い。ピントリングを回して、少しずつファインダーの中で被写体が浮かび上がってくる時に感じる気持ちよさはマニュアルフォーカス一眼レフカメラの醍醐味の一つ。
この点ばっかりは今のカメラよりも優れていると思う。

それに、デジタルと違って、撮った時にはどう写っているのかが分からないから、「現像するまでの間が楽しみ」というデジタル写真では味わえない楽しみがある。

あとは、フィルム写真は1本のフィルムで撮れる枚数が限られているから、シャッター切るタイミングを否が応でも厳選することになるのが大きいかなぁ。

だから、使用頻度はそこまで高くはないのだけど、やっぱり35ミリカメラという軽くて小さいフィルムカメラで写真を撮るのが好きだし、特にモノクロ写真というのは独特の粒状感もあって好きなので、これが撮れなくなったりするなんて寂しくてたまらない。と言っても僕ができることなんてコツコツとでも使っていくことくらいしかないのだけれど。

そして、そんなフィルム写真のある生活を支えてくれるカメラも減りつつあるのだと思う。
まだ買い換えできる状況ではあるけど、手元にあるカメラはやっぱり大切にしてあげることも忘れずに。

 

PENTAX MXの貼り革を張り替えてみたけど、やっぱり自分で手入れして綺麗になったカメラっていいなぁ。

 

 

 

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2 Comments

  1. T
    2015年10月24日

    ベッサ生産終了のニュースを見たときは、
    「んぇっ!?」って声に出てしまいましたね。
    また市場が寂しくなってしまいました・・・。

    デジタルカメラは「撮れ高用」で使ってますね。
    まだフィルムで思った通りに撮れるほどではないのでw
    フィルムカメラは完全に趣味用です。
    電子カメラから始めましたが、
    最近はマニュアル機ばかり求めてますね。

    こんなご時勢で酔狂な趣味ですが、
    なるべく消費できるようがんばってますw

    Reply
    • YOYO1981
      2015年10月27日

      >Tさん

      数が出ないから仕方ないのかもしれないですけど、どんどん減っていくのは寂しい限りですねー。
      フィルムの値上げもちょっときついものがあるので、デジタルとは違ってどんどん撮るていうのも少ししんどくなってきましたけど、僕も少しでも多く使いたいものです…。

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