子供の写真。

週末、子供と公園に遊びに行ってきた。
歩いて5分もかからないくらいのところにある、近所の小さな公園。
いつもは絵を描いたり、折り紙したり、工作をしたりと家の中で遊ぶことが好きなような上の子。でも、やっぱり子供、外遊びも好きみたいで、公園には喜んで遊びに行く。

1歳か2歳くらいの時は、とにかく外に行くのが好きだったので、今くらいの季節にも休みの日になると昼間は「外に連れて行って！」というアピールをよくしていた。まだ公園の遊具を使ったような遊びはほとんどできなかったから、鼻水を拭くためのガーゼだけポケットに入れて、カメラ片手によく近所を散歩していたなぁ。

それがいつの間にか、家の中の遊びの方が楽しくなってきたようで、一緒に散歩に出ることは随分と減ったと思う。
とにかく絵を描くのが好きみたいで、暇さえあれば絵を描いているもんだから、放っておくと外に行こうと自分からはほとんど言い出さない。タイミングを見計らって、こちらから提案して外に遊びに行くことの方が多いんじゃないだろうか。

こういう状況なものだから、一緒に外に遊びに行くことがちょっとしたイベントみたいな感じすらする。
張り切ってバケペンでも持ちながら行きたいところだけど、それだとあんまり遊べないので、だいたいはQを持って出かける。この日はちょっと頑張って一眼レフ持って行ったけど、やっぱりちょっと邪魔になってしまってたなぁ。失敗…。
一緒に遊びに行く時はQに01STNDARDPRIMEの組み合わせがやっぱり一番いい。

ちょっと立ち止まって、ファインダー覗きながら撮ってたりすると「早く来てよー！」なんて言われたりするから、写真撮るより一緒になってもっと遊ぶ方がいいのだろうな…、と思いながらもやっぱり撮ってしまう。「ごめんねー！」とか言いながら、ちゃちゃっと撮って追いかけてみたいなことを繰り返す。
子供と一緒に遊んだ時間を残しておきたい気持ちを優先している、自分のための写真だ。

自分が歳をとったから、というのもあると思うけど、特にここ数年は「時間の大切さ」を強く感じるようになった。
「時間がもっとあれば…」と何度思ったことか。時間を捻出するために睡眠時間を削ったりしていた時もあったけど、やっぱり体に無理をさせている歪みは時間差で現れてきたし、続けられなかった。睡眠や食事の時間をちゃんと取った上で残りの時間を大切に、上手に使っていかなければ、時間なんて本当にあっという間に過ぎていってしまう。

子供の成長は早い。
毎日一緒にいるとついつい見落としていたりもするけど、たった1日でも随分できることが増えたり、考え方が深まったり、大変なスピードで成長していく。
だから、子供と共有出来る時間はすごく貴重だと思う。手がかかる時期というのは大変なのかもしれないけど、子供と最も濃密な時間を過ごすことができる時期でもある。「一緒に遊ぼう」と言ってくれて、一緒に遊ぶことができる期間だってそう長くはないはずだ。
今しか見せてくれない表情もあると思うと、やっぱり出かけるときにはカメラを持って行ってしまう。

いずれ子供は大きくなる（当たり前に育てることは難しいことではあると思うけど）。まだ先のこととは頭では分かっていながらも、少しずつ離れて行くことを考えると寂しさを感じるとともに、今のこの瞬間のありがたさも強く感じられる。今は、人生で与えられたほんのひとときの優しい時間なのだ。

ちょっと前までは公園まで歩いて行くのも一苦労だったけど、今や鼻歌交じりで、るんるんしながらあっという間に公園に着く。帰り道だって走ったりするものだから、ちょっと息を切らせながら追いかけたりするようにもなった。写真ものんびりとは撮っていられない。ずんずん進んでいく姿を追いかけるのに必死だけど、そういうのもやっぱり楽しい。

こんな素晴らしい時間があったのだということを忘れないためにも、僕は毎日毎日、写真を撮っているのだと思う。それは他の誰でもない、自分自身のため。自分の視線、その時の自分の気持ちを写真という形で残すため。

「子供にはたくさん教えられる」という言葉を聞いても「ほんまかいなー」と思っていた時もあった。
「気づかされる」ということの方が多いのかもしれないけど、嘘ではないと今は思う。

子供を育ててるつもりが、親も育てられているっていうのも本当にその通りだなぁ。

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