写真とカメラとレンズ。

写真が好きな人はけっこうな割合でカメラ好き、レンズ好きだと思う。
僕も新しいものも古いものもいろんなカメラとレンズを使ってみたいとよく思っているし、多くはないけどこれまでカメラとレンズを何度か変えてきた。

実際のところ、先立つものが全くついてこないので、使ってみたいけど手に取れないものの方が圧倒的に多く、まだまだ「あれも!これも!」という気持ちはあるものの、以前に比べるとそういう気持ちはずいぶん小さくなった。

理由はいくつかあるんだろうけど、「道具を変えても写真が良くなるわけじゃないし、それよりも一つものを大切に使うことが大切」という気持ちが大きくなってきたからだと思う。

 

確かにレンズを変えれば写りは変わるし、デジタルカメラであればボディを変えると写りも変わる。解像感とかコントラストとか硬いとか柔らかいとか色々変わる。でも、自分がどういう写真を撮りたいのかが見えてなければ、その変化に一喜一憂 するだけで肝心なことは何も変わらないんじゃないだろうか。

レンズを変えると確かに写りが変わるから、自分の写真が変わったような気持ちになったり、時には上手くなったような気になったりする。でも、それは自分の何かが変わったわけではなくて、ただ道具が変わっただけ。そんなことを考えていたら、その写真を撮ったのは自分というよりそのレンズとカメラじゃないかという気持ちが大きくなってきてしまい、それじゃあ何を使ってもいつまでたっても他の機材が気になり続けてしまうだけで何も変わらないんじゃないだろうかと考えるようになってきた。

それに、同じものを使い続けないと分からないことだってあるわけで、今持っている自分のレンズのどこが不満なのか、自分が好きなのはどういう写りでそれにはどういうレンズが必要かっていうことをちゃんと考えて道具をそろえていかないと本当に終わりのない底なし沼にはまりこんでしまう。

 

PENTAX MZ-5N smcPENTAX-M50mmf1.7 Ektar100

PENTAX MZ-5N smcPENTAX-M50mmf1.7 Ektar100

 

ただ、カメラとレンズを変えることで撮る気持ちも変わるし、写りも変わるから、それで自分の気持ちとか考えが変わることもあるだろうし。なんか行き詰まったなー、と感じたら道具を変えてみるっていうのも大事なことだと思う。
違いを楽しむことだって写真の楽しさの一つだと思うし、カメラとレンズのことを、あーだこーだと話し合うのは単純に楽しい。
まだ使ったことのない機材についてあれこれと妄想を膨らませているとあっというまに時間が過ぎていったりもする。

この写真に使っているレンズはものすごく標準的な50ミリのレンズ。オークションで4千円くらいだったかなぁ。暗部がつぶれてる気もするけど、それ以外にはこの写りに特に不満があるわけではない。それに暗部がつぶれているのもレンズが原因なのかフィルムの影響なのかもしくはスキャン時の処理が原因なのかも僕にはよく分からないし。同じ50mmレンズであれば、新しいレンズは別に必要じゃない。でも、なんとなく50mmの f1.4のレンズとかが欲しくなるのが人情というか…。写りはたぶんそんなに変わらないはず。ファインダー覗いた時にちょびっと明るくなるかもとか、見た目が変わるくらい。でも、このささいなところが気になったりするもので…。

 

これまでいくつかのカメラを使ってきたけど、僕は小さいものが好きみたいで、カメラは大きく重いものから小さく軽いものへと入れ替わってきた。フィルムカメラはEOS1vからNikon F3になり、今ではPENTAX MZ5NとMXを使っている。
機能面だけ考えると確実に後退してるんだけど、今の方が写真を撮ることは楽しい。高級感とか安定感には少し劣るだろうけど、やっぱり小ささと軽さは正義だ。まぁ、PENTAX67は別として…。

写真ってレンズとフィルム(センサーと画像処理)で撮るものだけど、やっぱり撮る人の気持ちもすごく大事だから、楽しく撮影できるか機材を信用しているかどうかということもすごく重要なわけで。
だから、写真やカメラにさして興味が無い人からすれば到底理解できないようなささいな違いを求めて日々機材を探し回っているのだと思う。

機材なんて関係ない、気持ちとスキルだ!って言えるかなとか考えながらこの文章書いてたけど、やっぱりそれは無理だったなぁ。
僕がいいなと感じる写真には、高級機材で撮られたものもあれば写ルンですで撮られたものだってあるんだけど、それは機材はなんでもいいというわけではなくて、自分が気に入っているものであるっていうことが重要なんだと思う。気に入っていれば、それはフィルムカメラだろうがデジタルカメラだろうがコンパクトカメラだろうが中判カメラだろうが何でもいいんじゃないかと。

 

こういう写真撮りたい時にはこのカメラ!っていうイメージが自分の中で出来上がれば理想で、そのためにも一つ一つのカメラとレンズを大切にして、真剣に向き合いながら使うことこそが撮りたい写真を撮れるようになるためには重要なんじゃないかなぁとぼんやり考えている。

 

 

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2 Comments

  1. ゴワス
    2014年11月23日

    めっちゃわかります!
    前から考えていたのと友人の結婚式のタイミングが重なったので、最近デジタル機材を新調しましたけど、やっぱり「自分が何を撮りたいか」なんですよね。
    最新のデジカメはフィルムと比べると高感度域が凄いので撮影の幅は広がりますが、機能が多いことは迷いにもつながってます。でも、単純に「新しいカメラで写真が楽しい!」っていうモチベーション向上効果は最高ですね。
    僕も色々と機材を変えてその度に喜びと迷いを経験してきた分、一つの機材を使い抜く覚悟みたいなものを大事にしたいなぁと。デジタル・フィルムの両方ともメリット・デメリットがあるので、絵筆を使い分けるように共存させつつ、自分のテイストを追求していきたいものです。(まとまりのない長文すいません)

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    • YOYO1981
      2014年11月25日

      >ゴワス
      デジタルは確かに多機能すぎるかもしれんけど、自分で細かいところまで仕上げられるのも魅力やし、やりだすとけっこうはまったりするんじゃないやろうか!?
      無理をして使い続けることはないかもしれんけど、長く大切に使いたくなるようなカメラとレンズが手元にあるに越したことはないし、そういう存在って自分の写真を作っていくうえでやっぱりすごく大切な気がするねー。

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