写真は引き算だといわれるけれど。
写真を始めた頃はとくに気にもとめなかったのだけれど、写真の中には撮りたかったものの他にも色んなものが写っている。当然だけど。
それが、意図していれたものか、意図せず入り込んでしまったものかに関わらず、何を写真の中に入れるのかはよく考えた方がいいみたい。
僕が何回も聞いているのは「写真は引き算」ということ。
何を写したいのかをはっきりさせるため、ということもあると思うけど、被写体をよく見る、よく考えるということにつながるという面もあるし、これは本当にその通りだと思う。
何かを撮ろうと思った時、「あれも写したい、これも写したい」と思って、色々入れてしまうと結局何を写そうとしていたのかよく分からなくなるのはよくある話。特に観光に行ったときなんかにありがち。
「写真撮ろう」と思ってカメラを構えた時には、自分の中で「いいな」と感じた何かがあるはずで、その何かを写すことだけに集中することが結局は一番満足度が高い写真につながりやすい。
ただ、この、「『いいな』と感じた何か」が何なのかというのがすぐには分からない。
こればっかりはとり続けることでしかつかめないモノだと思うので、なんとかしようと思ってもすぐにどうにかなるものでもないと思う。
撮影技術としてのセオリーみたいなのは色々あると思うけど、何が撮りたいか、どう撮りたいかということについては人それぞれなので、それが何かが分からないかぎりは撮影技術以前の問題で、どうしようもない。だから、色々試してみたり、たくさん写真を見たりして、自分が撮りたいモノが分かるようになるということがとても大切。
その上で、自分が撮りたいもの以外はなるべく入り込まないように気をつけながらシャッターを切る、というのができるようになればどんなに良い写真が撮れるのだろうか、とフワフワ考えながらいつも写真を撮っている。引いたつもりでもプリントしてみたら、何でこれを入れたんだろうと自分でも分からないことがよくある。そんな簡単にはできない。
いいなと思う写真はシンプルなものであったり、一見ごちゃごちゃしているように見えても何を写そうとしているのかが分かりやすい、というものが多い。どうやったらそういう写真にできるのか…。
「写真は引き算だ」とは言われるけれど、引くことってすごく難しい。