心の中

次女は、まだうまく絵本を読むことができない。

だから、読んでもらいたい本があると、僕か妻のところに持ってくるのだけど、最近は長女のところにもよく持っていく。

長女は、小さい頃から本が異様に好きで、字が読めなくても中身を覚えてまるで読んでいるかのようにすらすらと本の内容をしゃべっていた。
寝かしつけに本を読んであげるつもりが、長女の暗唱を聞かされているうちに自分が先に寝てしまうことも度々あった。

そんな長女なので、読みたいものを読んでいるときに、「これを読んで〜」と持って行っても、本を読んではもらえない。そんなとき、次女は、せめてどんなものを読んでいるのか知りたいようで、

「声に出して読んで!」

とお願いすることがあるけれど、その願いが聞き入れられることはほとんどない。

今夜も、声に出して読んで、とお願いする次女と面倒臭がる長女の間でそんなやりとりが繰り広げられていた。

次女には、声に出さずに読むということがどいういうものなのか、うまく想像できないようだ。

 

「声には出して読まへんで!」

「えー、じゃあ、体の中で声に出して読んでるん?」

「うーん、体の中っていうか、心の中やな」

「『心の中』って体のどこにあるん?」

「おかあさーん、心って体のどこにあるん?私はここやと思うんやけど…」

 

そう言って、長女は胸のあたりを手で触れていた。

 

 

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心はからだのどこにあるんだろう。

僕も、胸のあたりにあるような気がする。

胸踊るとか、胸に秘めるとか、胸が熱くなるとか、自分の気持ちに関係する表現で胸が使われることがよくあるのは、昔から心が胸のあたりにあると感じていた人が多いからだろうか。

 

心の中がどこにあるのか、次女はイマイチよく分からないようだったけれど、スヌーピーのタオルを心の底から大切にしている。
家の中で遊ぶ時もご飯を食べる時も寝る時も起きてきた時も、いつも大切に小脇に抱えている。

 

そんなスヌーピーに次いで好きなのはドラえもん。大好きなはずなのだけど、ドラえもん靴下が家のそこらじゅうで脱ぎ捨てられているところをよく目撃する。

 

にっこり笑うドラえもん。

スヌーピーのタオルとの扱いの差を考えると少し胸が痛い。

 

 

 

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