入院とクリスマス

先週の水曜日、1歳の末っ子が熱を出した。
朝に計ったら39度くらいだったと思う。

小さな子供は、熱がすぐに高くなるし、39度くらいには簡単にあがってしまうから、その時はそこまで心配はしていなかった。ただ、上の2人が通っている保育園ではインフルエンザが20人以上出ていたし、迎えに行くときは末っ子も一緒に行っているから、インフルエンザかもしれないな、と予想していた程度だったと思う。

予防接種はしていたけど、なるときはなるから仕方ない。

インフルエンザだと、他の子供にうつらないように気をつけないといけないから大変だなぁ、と思いながらその日は出勤。
クリスマスも近いし、年の瀬はなにかとやることも多いし、ちょっと今年は大変そうだなぁ、とか色々考えていたら、お昼過ぎに連絡があって、入院することになったという。

朝、熱がどんどん上がるものだから、急いで近所のクリニックに連れていって検査をしてみたら、インフルエンザは陰性。でも、帰ろうとしたその瞬間に痙攣を起こしてしまったらしい。
幸い、病院にいたからすぐに処置してもらえたものの、直後は少し麻痺らしい症状が出たりしたものだから、そのまま救急車で大きな病院へ行き検査をすることに。

結果、アデノウィルスの反応が出たようで、痙攣が再発する恐れもあるので、入院して経過観察と詳しい検査をすることになった。

 

 

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病院からは「一週間での退院が目標」と言われた。アデノウィルスは熱が長引く傾向にあるのだとか。
入院は残念だったけど、まずは一安心。

でも、問題は入院している間の生活だ。
僕たちの両親は共に遠方なので、すぐに来てもらうことはできないし、それぞれの親の介護もあるので、そもそもきてもらうことも難しい。

末っ子には母親が付き添い、上の2人の子供と僕でとりあえず生活することになった。

木曜日と金曜日は仕事を休ませてもらい、子供たちを保育園に送り届けてから、着替えなどを届けに病院へ行き、看病をしばらく交代。夕方に保育園に迎えに行き、ゴハン、お風呂、寝かしつけ(というか一緒に寝付く)という生活だった。

 

上の二人といってもまだ6歳と3歳。自分のことはだいたい自分で出来るけど、まだまだ小さい子供だ。
母親がいないと寂しいだろうし、ぐずったりするだろうなと思っていたけど、予想に反して全くぐずらない。いつもと同じように二人で遊んだり喧嘩したりしながら過ごし、いつものようにご飯を食べてすんなり寝てくれた。

次女がたまに「3人だと寂しいねぇ」とか「お母さん、帰ってくるの遅いねぇ」とはいうもののそれ以上は何も言わない。今回、二人が頑張ってくれたおかげで、どれだけ助けられたかわからない。どれだけ分かっているかは分からないけど、妹が熱で大変だから、頑張らないと、と思っていたのかもしれない。

 

それにも関わらず、僕が一人で疲れてしまい、子供達のちょっとしたことに声を荒げてしまうことが度々あった。
特に食事中だったと思う。そうすると空気がぴんとしてしまう。
その空気を感じ取った次女は、とっても気まずそうな顔をしたりするのだけど、少し間を置いてから、

「ねぇ、お父さん。これ、おもしろい?」

と言って変顔を見せてくる。それも立て続けに。

「ねぇ、これは?これは?」

 

あんまり立て続けに変顔を繰り出してくるものだから、思わず笑って「おもしろいで」とこたえると、ものすごく嬉しそうな顔をしながら

「やったぁ〜!」

と言って、またご飯を食べ始めた。

 

その表情を見たときに、自分は一体何をやってるんだと情けなく思うと同時に、子供の気遣いとか頑張りに対する申し訳なさとか嬉しさなんかが混じり合って思わず涙してしまった。

 

この時、次女がどんな気持ちだったか、確かなことは分からないけど、やっぱり親が怒っているのは嫌だし、笑っていてほしい、楽しくしていてほしい、という気持ちはあったんじゃないかなと思う。自分が子供の頃もそういう気持ちは持っていた。いや、もしかしたら、単に自分の変顔を見てほしかっただけなのかもしれないけど…

でも、子供は大人を本当によく見ているし、その場の雰囲気もよーく把握している。大人以上に敏感なのではないだろうか。僕が怒ったときの気まずそうな顔がもう忘れなれない。あんなに頑張ってくれてたのに、悪いことしちゃったなぁ…。

 

みんな大変なんだから、自分一人がぷりぷり怒っていても仕方がなくて、みんなで頑張らないといけないのに。一人で足を引っ張ってしまったなぁ。

それでも、二人とも、本当に何一つ文句を言わずに過ごしてくれた。なんでなんだろう。いつもならすぐに文句を言ったりするのに。末っ子の入院は大変だったけど、二人の頑張りには本当に感激してしまった。

 

今夜だって、クリスマスイブだっていうのに何か凝ったものを作るような余裕もないから、あり合わせのご飯だったのに「クリスマスパーティー、完璧だったね〜!楽しかった〜」と言うものだから、ここでも泣きそうになった。

夕食は、スーパーの惣菜コーナーで買って来た鶏モモ照り焼きに、朝と昼の残り物を付け合わせてそれとなく盛り付けただけで、二人が一番食べていたのは、飾り付け道具を買いに行ったついでに買ったパンだったのに。
ケーキだって、おなかいっぱい、と言って少し残すほどで、たぶん思っていたほど美味しくなかった様子だったし。

僕に気を遣っているのかなぁ、という気もしたのだけど、そういう感じでもないみたいだったし。ここ数日は不思議なことばっかりだ。

 

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いろいろあったけど、末っ子も順調にいけば、明日には退院できそうだし、クリスマスには家族が揃いそうだ。

子供達は「サンタさん、ちゃんと来てくれるかなぁ、迷わないかなぁ」とか言ってそわそわしていたけど、今は布団を蹴飛ばしてぐーぐー寝ている。

 

毎年思うのだけど、クリスマスって子供よりも親の方が楽しんでいるのではないだろうか。
子供は、おもちゃというプレゼントをもらうけど、親はそれ以上に色んなものを子供から受け取っているような気がする。
今年は、特に色んなものをもらったなぁ。どうもありがとう。

 

なんだかんだで忘れられないクリスマスになった。

明日も、良い1日になりますように。

 

 

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