すっぱい顔。
この前の冬の写真。初めてみかんを食べてみた時の表情。
人はすっぱさを感じるとこういう表情をするようにできているみたいだ。
何かを我慢するわけでもなく、照れ隠しするわけでもなく、ただ感じたことをそのまま表現する子供を見ているとすごく優しい気持ちになる。子供の頃、自分にとってはなんでもない行動を周りの大人がすごく優しく見てくれて、「なんで?」と思っていた記憶がある。その時の周りにいた大人の気持ちはこの表情を見ている僕と近しいものだったのかもしれない。
これは、本当になんてことない写真だけど、すごく気に入っている。見た人に笑われようが、何と言われようが僕にとってはとても大切な1枚。
時間が過ぎるのは本当にあっという間だけれど、こうして形に残していくことだってできる。日々の何でもない時間の中にこそ大切な瞬間が存在している。僕は、それをほんの少しでも残していきたくて写真を撮っている。