フィルムで撮ったらレンズで焼くワタナベカメラ。
僕がいつも写真の現像とプリントをお願いしているのはワタナベカメラ。
今もアナログ銀塩プリントをされている数少ないお店の一つで、あのアラーキーもそのプリントを絶賛されていたという逸話まである。
僕はもともとフィルムで撮った写真の感じが好きで写真を始めたのだけれど、いつからか街の写真屋にフィルムを出してプリントしてもらうとデジタルっぽい仕上がりになることに違和感を覚えていた。
少し調べてみたら、それは一度フィルムをスキャンして、そのデジタルデータをレーザースキャンしているからだということが分かり、すごくショックだった。肝心のプリントがデジタルになっているのであれば、もうフィルムで撮る意味がほとんどないのだから。
そして、実際にプリントの感じが写真っぽくないことがほとんど。お店によっては一枚一枚丁寧に調整してプリントしてくれたりして、綺麗なプリントにしてくれることもあるのだけれど、やっぱりアナログのプリントとは質感がどうしても違う。
それは中判を使ってみても同じで、もうフィルムを使っても仕方ないかなーと思い始めていた時に見つけたのがワタナベカメラだった。
最後の望みをかけて思い切ってお店に行ってみたら、その独特の雰囲気にビックリ。
「濃厚」
そんな言葉がぴったりくる雰囲気だった。
そして、フィルムの現像とプリントをお願いしながら少し話をしていると、店長が色んなことをすごく詳しく話してくれた。
それはまさに僕が疑問に思っていたフィルム写真のデジタルプリントのことであったり、アナログプリントの話や機材の話まで本当にたくさん。
そして、その間に、引き延ばしをしてもらいたくて持って行っていたネガのプリントをしてくれた。
そのプリントを見て、正直なところ最初は戸惑った。いつもとあまりに違ったから。かつてのアナログプリントを求めていながら、僕はその質感を忘れかけていたのだった。
でも、そのプリントには懐かしいフィルム写真のプリントの質感があった。家に戻ってからも何度も何度もそのプリントを見て、見れば見るほどにその良さをじわじわと感じ、これまでフィルムを続けようかどうしようかと悩んでいたモヤモヤが綺麗に晴れていった。
僕が知らなかっただけで、同じように最近のデジタルプリントに不満を持っている人はたくさんいて、そういう人たちがナベカメに集まっていたのだ。そして、店長をはじめ、そこに集まる人はこのプリントの良さに惚れ込んで、また、このプリントを残そうと本気で写真に取り組んでいる。 そういう人がまだまだたくさんいるということが知れたのはすごく嬉しかった。
プリントに関しては、人によって好みがあるので、どのお店が一番いいかなんていう話はそもそも意味がないと思うけど、プリントは写真を作る作業のなかですごくすごく大切な部分だから、自分の好みに合ったプリントをしてくれるお店はどこかを探すことはすごく大切だと思っている。
本当にワタナベカメラがあってよかった。
もしもフィルムで撮った写真のプリントで悩んでいるのであれば、ぜひ一度ナベカメでプリントを試してみてもらいたい。
4 Comments
タケキヨ
2013年9月6日アナログプリントいいですねー!
僕も3年前に光画ホリデーさん(http://holi-day.jp/blog/2009/11/post-172.html)でナベカメさんを知りました。まだ行けていないので、次こそは行きたいです!
YOYO1981
2013年9月6日光画ホリデーさんのブログに出てくるアラーキーの写真、ナベカメさんにも飾ってありましたわ〜!
次に関西に来た時にはぜひ一緒にいきましょー!!
うに
2013年9月7日ここの写真屋さん一度現像してみたいなあと思っていました。
こちらで現像されているんですね。どの写真も説得力があります^^
しっとり密な写真ばかりで素敵ですね。
私も今度現像してみようと思います!
YOYO1981
2013年9月7日>うにさん
ありがとうございます〜!
プリントの仕上がりはやや濃い感じがあるかもしれませんけど、好みを伝えれば対応してくれるので、プリントされる際には電話されてみてもいいかもしれません!