シャッターの切り方。
少し前、休日にカメラ屋の中古コーナーをぶらぶらしていたら、これから写真を始めようとしている若い男の子が店員さんから色々と説明を受けているのが聞こえてきた。
中古品におけるフィルムカメラとデジタルカメラの違いについて、その店員さんは、「フィルムの時は撮影できる枚数が決まっていたから考えてからシャッター押していたのだろうけど、デジタルになってからは、何枚でもとれるので、とりあえず撮る、連写するというユーザーさんも多くて、新しい機種で外見がきれいでもシャッター回数はけっこういっているものがある。逆に言うとデジカメの不安な点はそれくらい。」というようなことを説明していた。
これは確かにそうなんだろうなと思う。
よくメーカーの宣伝ではシャッター耐久10万回とか20万回みたいなことがうたわれているので、プロが酷使したカメラでなければ機能的には当面問題ないのだろうけど、気軽に連写してたら数万回はいくと思う(1万回でもフィルムなら36枚撮りで約300本必要な量)。
とりあえず撮っておく、連写する、という気持ちは分からなくないけれど、これをすると後で写真を選ぶ時に困る。選べないし。
似たような写真が量産されてしまうだけで、その中から好きな1枚を選べるか、もしくはそもそもそういう1枚が撮れているかということについてはちょっと疑問。1泊2日の旅行とかに行って、そういう撮り方をしていたら、きっと数百枚の写真になる。それを全部プリントする訳にもいかないし、ちょっと写真見ようと思ってもそんなにたくさんは見ない。
似たような写真がたくさんあっても仕方が無いから、不要なものは削除するのだろうけど、その作業はすごく手間だ。少なくとも僕には無理。
だから、連射はしないし、写真に入れるモノと入れないモノ、構図とかを考えてから1枚撮る。それで撮り逃すことも確かにあるけれど、それは割り切り。急いでとりあえずシャッター切ったところで写ってこそいてもその写真が満足行くものになるかというと往々にしてそうではないし、結果として写っていないと同じ事なので。
ポートレートだって、満面の笑みが良い写真というわけでもない。ちょっと変な顔で写っていても
「これ変な顔で写ってるな〜!わはは!」で良いのでは?と思う。その写真の方が逆に記憶に残ることだってあるはずだ。
デジカメの進歩やスマホカメラの高機能化で写真が身近になったことは間違いないけど、その分、
写真1枚に対する想いが少なくなったことは確か。写真を見ても、その写真を撮った時のことを
よく覚えていなかったりする。
結果的に良い写真が撮れていれば問題ないので、これの何が悪いのか思う人もたくさんいると思う。
でも、写真は今の姿や気持ちを残す、すごく大切なもので、そういう大切なものに対する想いは
忘れずにいたいた方が良い写真が撮れそうな気がして。
単なる感傷的なものかもしれないけど、今はそう信じている。
2 Comments
うに
2013年10月8日YOYOさんの言われていること共感できます。
フィルムカメラで初めて撮った写真を見ると、何年も前のことなのに、その時の気持ちを思い出したりします。
デジタルのよさもあるんでしょうけど、
フィルムカメラ、素敵ですよね。
YOYO1981
2013年10月8日>うにさん
ありがとうございます!共感してもらえる人はそう多くないので、嬉しいです!!
フィルムもデジタルもそれぞれ良さがあるので好みの問題もあるかもですけど、フィルムで写真を撮る一連の行いが好きなんですよね。
フィルムの環境は厳しくなる一方ですけど、ずっと残るといいですね!