インクジェットプリントを試してみたのだけれど。
ここ1年ほど、ずっと銀塩プリントをしてきた。
でも、ナベカメが一時休業になったこととか、お店にお願いするとある程度はお店任せになるところがあることについて少し思うところもあったので、週末にインクジェットプリントを試してみていた。
プリントしたのはL版を数枚。結果、想像していた以上に、すごくきれいにプリントできてびっくりしてしまった。
僕が使っているのはキャノンの複合機で3年ほど前に買ったMG8130という機種。35ミリフィルムのスキャンができるということでこの機種にしたというだけで、プリント機能はおまけ程度にしか考えてなかった。販売員が「プロもこれなら使えると言うほどのクオリティでプリントできます!」と言っていたのを今でも覚えているけど、当時は「またそんな大げさなことを言って…。しょせんインクジェットプリントでしょ」程度にしか思っていなかった。
まだL版でしか試してないので他のサイズでは分からないけど、L版であれば、お店の銀塩プリントとインクジェットプリントを見比べてもぱっと見は判断がつかない。
同じプリントを並べて近くで見てみれば、分かる人には分かるだろうけど、粗探しに近い話だと思う。僕に撮って、L版でプリントするということは、写り具合の確認とか、とりあえずプリントしてみるとか、アルバムでパラパラ眺める、というようなことが目的なので、プリントの質を極限まで求めるというものではない。
それでも、以前はインクジェットプリントはドットが目立つとかやたらデジタルっぽいという印象があってプリントする気にはなれなかった。
この間、紙の質が上がったのか、ソフトウェアが良くなったのか、僕の感覚が変わったのか、またはそれ以外なのか分からないけど、今はデジカメで撮った写真をL版でプリントするなら家のインクジェットプリントでもいいじゃないか、という気になっている。
まぁ、インクジェットプリントと銀塩プリントについては整理しておくこととか色々あると思うけど、それはまた次回にでも。
ちなみに、今回使ってみたのは、ピクトリコのセミグロス、エプソンのクリスピア、キャノンの光沢プロの3つ。第一印象ではクリスピアがいいかなぁと感じたけど、品質はどれも悪くないし、好みの問題のレベルのように感じる。詳しい人が見比べればちゃんと差が分かるのだろうけど、そこまで厳密なものは求めていないので、そんなに気にはならなかった。
でも、これはやり出すともっと追い詰めることができる。
プリンターも顔料の8色とか10色の専用プリンターを使えばもっと仕上がりが変わるだろうし、撮影データをいじっていくにもちゃんとキャリブレーションできるディスプレイであれば、画面の色合いとプリントの色合いを合わせられて、細かな調整が可能になるわけだし。この分野にも大きな沼は広がっている。
でも、こうして細かなところまで色々調整できるというのはデジタル写真の醍醐味の一つ。より手軽によりきれいに残せるならば、ちゃんと色々調べてやれるだけやりたい。
撮影からプリントまで細かいところを自分でできるというのは、フィルムでいうモノクロのプロセスに似たところがあるし、ハマるひとはどっぷりはまる(はまっている)のではないだろうか。
フィルム写真にはフィルム写真の雰囲気があるので、これはこれでまだまだやめられないけど、各社がコストをかけて技術開発を進めているのはデジタル写真の分野であるから、これからもプリントの質はどんどん上がっていくのはデジタルの分野なんだろうなぁ。
時代と共に写真のあり方も変わる。