写真は人がつくるもの。
ナベカメが閉店してからというもの、フィルムをどこでプリントしてもらおうかずいぶん悩んだ。
ナベカメのHPではアナログプリントとして営業しているお店の紹介もしてくれているけど、今となっては「アナログだから」というだけで、そのお店にフィルムを出そうという気にはなれない。
前にも書いたかもしれないけど、ナベカメにプリントをお願いし続けていたのは、レンズ焼きだからという理由だけじゃなかった。だけじゃなかったというよりも、ナベカメの店長にプリントしてもらいたかったからという理由がほとんどだった。あとで分かったことだけど。
だから、しばらくの間、ぼんやりとプリントどうしようかなーと考え続けていたのだけど、結局、前にも現像をお願いしたことがあるFRAMEさんに現像とプリントをお願いしてみた。
実際にお店に行って、プリントをお願いしたこともあるけど、行くには少し時間がかかるので、今回は郵送することに。
ずっとナベカメでプリントしてたから、PENTAX67で撮った写真のイメージはナベカメのプリントっていうイメージで固まっていたんだけど、「あー、こーゆーのもいいなぁ!」というのが率直な感想。
プリントをお願いする際、基本的にはお店にお任せするとは言いながらも、「しっとりした感じ」とか「濃い感じ」とか「フィルムの特徴が出る感じ」というような、ものすごく曖昧なイメージを伝えていた。
仕上がりが届いて、開けた瞬間、「おー!」と思わず感激。すごく優しい感じのプリント。
曖昧なイメージで伝えるということは自分でもよく分かっていない部分があるからなんだけど、その自分でもよく分かっていない部分にプリントはしっかりと収まっていた。
プリントを実際に見るまでは、仕上がり見て、自分がどう感じるのかちょっと不安なところもあったけど、FRAMEに出して良かった。
「フィルムで撮ったらレンズで焼く!そうでないとフィルムで撮ってる意味が半減する」とずっと考えていた。フィルムを使っていることに対する自分なりのこだわりもあったのだと思う。
実際、ナベカメのプリントは、ガツンとした強烈なインパクトですごく素敵だったし、デジタルプリントでは出せない立体感、シャープさ、濃さがあった。
でも、ナベカメがその営業を終えたことで、「フィルムで撮ったらレンズで焼く」ということについては、僕の中で何か一つの区切りがついたような感覚があって、もうナベカメでプリントできないのであれば、レンズ焼きだけにこだわらずに他の可能性も考えてみようかな、と思えるようになってきた。
それは、ナベカメに通ううちに「レンズ焼きだから」というよりも、「ナベカメだから」という理由でお店に通っている感じになってきていたことも関係あると思う。
フィルム使うならレンズ焼きしてこそ!と思ってたけど、実際はナベカメプリントが好きだったからプリントしてもらっていたという感覚がほとんど。だから、他店で「うちもレンズ焼きしてますよ」という話をきいても、以前と違って、今はあまり心が動かない。
写真は人がつくるものなので、プリンターによって写真の仕上がりが大きく変わる。だから、行ったことのないお店の、会ったことのない方にプリントをお願いするのは、少し勇気がいる。特に、フィルムをプリントする場合はプリンターにゆだねる部分が多くなるから、どんな人なのかどうしても気になってしまう。
機材がどうこうより、まずはやっぱり人だと思う。
僕の場合、写真のことをいろいろ考えていると、技術的に細かいことがあれこれ気になったりすることがあって、それとらわれてしまうと目的が何なのか分からなくなる。
でも、やっぱり写真は、プリントして形に残すことが目的。だから、プリントの部分を気持ちよく楽しくできると仕上がった写真がより好きになる。
これからどんな形で写真を続けていくか分からないけど、見るたびに嬉しい気持ちになれるような、そんな写真を残すことができればいいなと今は思っている。
2 Comments
uniuniyama
2014年2月20日こんにちは。yoyoさんのお気持ちわかるような気がします。
店主さんへの信頼感とか憧れとかそいうのも現像してもらおうという理由に入りますよね。
私もしばらくは同じところで現像プリントしてもらってますが、店主さんの撮る写真が
とても素敵で、安心してお願いしています。
今回の写真はまた違った雰囲気で暖かくて素敵ですね^^
YOYO1981
2014年2月20日>うにさん
ありがとうございます!
プリントで写真はだいぶ変わりますもんねー。やっぱり信頼感ってすごく大切かと!
PENTAX67のレンズはツァイスに負けない素敵な描写してくれます!