モノクロフィルム写真を焼きたい。
先週、トライXを初めて現像してみた。
D-76を使うのも初めてだったので、現像時間を含め不安なことも多かったうえに、仕上がったフィルムが少し紫色っぽい感じになってしまっていたので少し不安だったのだけど、そこそこキレイにできたみたい。
コダックのモノクロフィルムはこのトライXとT-MAXの2種類なのだけど、個人的にはトライXの方が好きな感じ。
T-MAXはすごく、くっきりはっきりしている。前にも書いたかもしれないけど、解像感が高い感じとも言えるかもしれない。すかっとしている感じ。
それに比べて、トライXは優しい感じ。どことなくあいまいさが残っているような。語弊があるかもしれないけど、よりフィルムらしいと感じる雰囲気がある。
といっても、モノクロフィルムの場合は現像方法やプリント方法で最終的なできあがりの雰囲気が大きく違ってくるので、一概に言えないのが難しいところ。
現像するだけでも、どの現像液を使うのか、どうやって現像するのか(原液なのか希釈液なのかとか液温とか)、色んなやり方がある。
プリントするときも、どの印画紙を使うのか、どの引き延ばしレンズを使うのか、焼き方はどうするのか、現像液はどれを使うのか…、組み合わせはたくさんある。
そして、その全てを試すことなんて、まず無理だ。材料をそろえるのも大変だし、作業時間を確保することもかなり厳しいと思う。
プリントをするにはノウハウの蓄積が必要だし、試行錯誤を繰り返してたどり着いたプリントってその人オリジナルのプリントになる。
たとえやり方を教えて貰ったとしても、PCに値を入力するのとは訳が違って、自分で作業をしないといけないので、それっぽくできたとしても再現なんてまずできないんじゃないかと思う。
確かにフィルムの特徴というものはあるし、それは最終的なプリントにも大きな影響があるわけだけど、それだけでは写真が決まらないのがモノクロフィルム写真のおもしろさでもある。
現像からプリントまで、その人独自のやり方が存在し得るから、最終的なプリントが唯一の大切なものとなり得るんじゃないだろうか。
デジタル写真も便利だし、キレイだし、手軽だけど奥が深いところあって十分にオリジナルな作風を作り出すことはできると思う。
デジタルモノクロもかなり好き。マット印画紙との組み合わせが特に良い。デジタルっぽさがあまり出ず、ものの質感がよく出る。
それでも、あの暗室で露光して、現像液に浸してからしばらくすると像が浮かび上がってくる楽しさはやっぱり格別なわけで…。
フィルムを現像するたびに思うけど、やっぱり自分の手で物理的に写真フィルムを仕上げる、という作業は達成感があって楽しい。そこにプリントも加われば…。
あー、やっぱりこういう文章書いてるだけじゃなくて、自宅に暗室をなんとか用意したいなぁ…。
トライXのフィルム、自分で焼いてみたい。。。