家族写真を撮ってもらおう。

先週、家族4人での写真を撮ってもらってきた。
撮ってもらったのはいとう写真館という少し変わった写真館。

いとう写真館のウェブサイトには次のとおり説明があって、よくある(今はずいぶん少なくなったけど)街の写真館のように店舗を構えているわけではなくて、いろいろな場所に伊藤さんがやってきて、撮影会が開催されるという形式のちょっと変わった写真館。

 

「写真家 伊東俊介による出張写真館です。日本各地のギャラリー・カフェ・雑貨店などの様々な場所で、ほぼ毎月、期間限定で撮影会を開催しています。(常設の店舗を設けている写真館ではありません。)」

 

撮影も中判のフィルムカメラとモノクロフィルムという組み合わせで行われ、現像からプリントまで全て手作業という、今となってはあまり見かけないもの(今は街の写真館で写真撮ってもらうにしてもほとんどデジタルだと思う)。
3年前にりす写真館で濱田さんに3人での写真を撮ってもらったのもほとんど同じスタイルなんだけど、プリントの仕上がりもすごく素敵で、その時の家族の記録として残す写真としては最適だと思う(好みもあるかもしれないけど)。
長らく家族写真を撮ってもらってなかったし、そろそろ4人の写真を撮りたいなと思っていた時にたまたま大阪でいとう写真館が開催されるのを見つけたので申し込んでみた。

毎日写真を撮ってはいるものの、自分が写っている写真はほとんどないし、家族4人揃って撮った写真はもっと少ない。
揃って撮るとなるとちょっと準備も必要になってくるし、気軽に撮れないからかもしれないけど、まともに撮ったことなんてなかったんじゃないかな。

でも、子供は少し時間が経つだけでも顔つきとか雰囲気がずいぶんと変わってくるので、今の子供と一緒に撮る「今しか撮れない写真」はたくさんある。(自分も自分で思っている以上の速さで年をとってはいるのだけど…)
子供が時間とともに大きく成長して変化していくのは当然のことなんだけど、子供だけでなく僕たち大人も少しずつかもしれないけど確実に変わっていく。だから、「今」を写真で残していくことは今しかできないとても貴重なことなんじゃないかなぁと思っている。
家族には毎日会っているから、それぞれの変化はなかなか感じにくいものだけど、写真で振り返ると時間の経過というものが確実に感じられるし、3年も前の写真になれば、子供は当たり前だけど自分の写真を見ても「あー、なんか若いな…」という気持ちになる。
変わっていっていることは感じにくいことだけど、確かに変わっていっているのだから、やっぱり写真に残しておくといいんじゃないかなと思う。

 

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA* 55mm F1.4 SDM ISO80 F2.8 1/25

PENTAX K-5 smc PENTAX-DA* 55mm F1.4 SDM ISO80 F2.8 1/25

 

写真館での撮影というと、お店の人に立ち位置やポーズを色々と指示されて、何枚か撮ってもらってはいおしまい、という感じがほとんどだと思うけど、いとう写真館はその撮影もだいぶ独特だった。
うちの場合は子供がまだ小さいこともあってか、子供の笑顔を引き出すために、伊藤さんはもちろんのことながら、場所を提供しているお店のスタッフはじめ、この撮影に関わっている人がみんな全力で良い笑顔を引き出そうと色々と工夫をしてくれた。

人形を使ったり、声をかけてくれたりするのはもちろんだし、伊藤さんにいたっては写真を撮りながらしゃべり、面白おかしく体を動かしながら子供を笑顔にしようとしてくれていた。
そして、その一瞬を逃すまいとファインダーをじっと覗き続け、シャッターを切り続ける、笑顔なんだけど、ファインダーを覗く視線はすごく鋭い感じだったことがすごく印象的だったなぁ。
僕はどちらかというとそれなりに人見知りをするし、撮られるのも苦手なので、撮影中に緊張して固い表情になったらどうしようなかと少し心配していたのだけど、すごくリラックスして写真を撮ってもらえたと思う。これまでに数多くの家族写真を撮ってこられて、その家族の少しでも良い写真を撮ろうとたくさん考えて工夫し続けてきているんだろうなぁということをひしひしと感じる撮影だった。

いとう写真館の写真はどれもみーんないい顔で写っている。
写真って、撮る人と撮られる人の間の関係性とか距離感みたいなものがなんとなく雰囲気として残るものだと思っているんだけど、

初対面であってもリラックスした雰囲気を作り、より表情を写真に残せるようにと伊藤さんが工夫し続けてこられた結果なんだろうし、ちょっと他の人では真似できないオリジナルな写真になっている。

いとう写真館でしか撮れない家族写真というのが確かにあると思う。

 

PENTAX K-3 II smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ISO400 F2.8 1/60

PENTAX K-3 II smc PENTAX-FA 31mm F1.8 AL Limited ISO400 F2.8 1/60

 

家族写真は、ちょっと手間かもしれないけど、三脚立てて、タイマーなりロングレリーズ使うなりして自分で撮ることだってできる。もちろんそうやって撮った写真もいいのだけど、いとう写真館で撮ってもらう写真というのはまちがいなく伊藤さんだからこそ撮れるその時の家族の写真。自分では撮れない写真。
なんていうんだろう、自分では見えていない(撮ることができない)一面をとらえてくれる、形にしてくれるような感触があって、まだ写真が手元にくるのはだいぶ先になるけど、その写真には自分が気づいていない自分自身や家族の一面を撮ってもらえているような写真に仕上がっているんじゃないかなーとワクワクしている。

もちろん自分で撮ることに比べるとそれなりの金額にはなるけど、あれだけ手間をかけて撮影をして、フィルムの現像からプリント、仕上げまでを全て手作業でやるとなると決して高額でなくて、むしろ良心的な価格設定なんじゃないかなぁ。
確かに金額自体は小さいものではないかもしれないけど、やっぱりちゃんと撮影してプリントしてアルバムでも額装でも仕上げをきっちりやるとそれなりの値段になるのは当たり前だし、それはフィルムだからとかデジタルだからとかあまり関係ないとは思うのだけどなぁ。

デジタルカメラの広がりとかスマホで写真を撮ったり見たりすることが一般的になったからか、プリントにお金をかけるということが少なくなったように思う。プリントしなくても見られちゃうから当たり前かもしれないけど。
でも、こういう時代だからこそ、いとう写真館のモノクロプリントを直に見ると、その素敵さに誰もが息を飲むのではないかと思う。

ディスプレイで見る写真、コンビニや家電量販店の端末でプリントする写真とは全く違う写りや存在感は、誰が見ても明らかに感じられるほどのものであるはず。
写真にそこまでこだわらないよ、という人も一度見ればきっと気に入る。

 

毎日の暮らしの中には楽しいこともあれば面倒くさいことや辛くて苦しいこともある。
色んなものを全部ひっくるめて今の自分がある。
そんな自分やその家族の今という瞬間を、毎年とは言わないけど、何年に一回かは写真という形で残しておいたらどうだろうか。この今という瞬間は二度と戻ってこないのだから。

いとう写真館なら、今の自分を真正面から受け止めた写真で撮影してくれると思う。

 

 

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