いとう写真館@星ヶ丘洋裁学校
七夕の日に、約一年ぶりのいとう写真館で家族写真を撮ってもらった。
初めて撮ってもらったのが2015年。2016年はタイミングが合わずで撮れずだったので、今回は3回目。仕上げはパネルにしてもらい、部屋に飾りっぱなし。いつまで子供が付き合ってくれるかは分からないけれど、並べられるだけパネルを並べて、時間の経過、それぞれの変化をいつも見られるようになるといいなと思っている。
「いとう写真館」については、ご存知ない方もいるかもしれないので、ごく簡単に説明しておくと、「移動式写真館で、中判モノクロフィルムで撮影して、手焼きして写真を仕上げてくれる写真館」ということになると思う。
ウェブサイトはこちらなので、興味がある方は是非確認してみてください。大阪であれば9月にも大阪市内のmonohairさんでも開催予定です。
写真が好きで、家族写真もたくさん撮っているような人に限って、自分の写真がほとんどない、ということがよくあるのではないかと思う。
自分が使っているカメラは、自分が使いやすいように何かとカスタマイズしているから、誰かにパッと渡して、「撮ってください」とも言い難い。カメラを手渡したところで、困惑される可能性が結構高い。
だから、自分も写っている写真を撮ろうとすると、ちゃんと三脚を用意して、セルフタイマーなりロングレリーズなりを用意して撮るしかないのだけど、もちろん面倒臭い。だから撮らない。そうして自分が写っている写真が全くないまま、時間だけが過ぎていく、ということになりがちなんじゃないだろうか。
僕自身がまさにそういう状況なので、年に2回だけ、自分が写る写真をしっかりと撮るようにしている。それは、元旦の午前中といとう写真館。
元旦には、天気が良ければだけど、PENTAX67を三脚にセットして、ロングレリーズで撮る。
元旦の朝からちょっと面倒くさいかもしれないけど、冬の朝の空気は澄んでいてきれいだし、年の始めくらいはちゃんと撮りたいので。
ただ、PENTAX67は超重量級なので、子供たちと遊んだり出かけたりするときの出番はめっきりなくなってしまった。K-1でも重いし、子供に当たると危ないこともあるので、K-01とかPENTAX Qを持ち出すことが多い。
デジタル全盛の今の時代においても、フィルム中判カメラで撮る写真は格別に綺麗で、そのプリントを眺めているだけで自然と頬が緩む。
ピント合わせはマニュアルだし、重いし、フィルムは高いしで常用するにはなかなかハードルが高いけれど、記念写真を撮ったり、ここぞという時にはまだまだ現役で頑張ってくれる。
いとう写真館では、そんなフィルム中判カメラを使って撮影してくれます。
今の時代、高いお金出してまでフィルムで撮る意味なんてあるの?と言われてしまいそうだけれど、個人的には、そこに意味を見いだせるかどうかは、人によるとしか言えない。
デジタルでも綺麗に写真が撮れる今、フィルムである必要性はほとんどない。
それでも、今ほどテクノロジーが進化した時代であっても、フィルムで撮った写真でしか出せない雰囲気がある。だから、そのフィルムで撮った写真の仕上がりに対して、何も感じなければ特にフィルムである必要はないと思う。
僕は、今でもフィルムで撮った写真が好きだし、モノクロ写真もすごく好き。
きれいに写っているんだけど、シャープすぎない、どことなく丸みがあって柔らかい。フィルム写真はデジタルと対比的にこんな表現を使われることも多いけど、このあたりの受け止め方も人によるだろうなぁと思っている。個人的には、フィルムで撮った写真とデジタルを現像したものの見分けがつかないこともあるので。
じゃあ、何が違うのかということになるけれど、絶対的に違うのは、保存性の高さだと思っている。
インクジェットよりも銀塩プリント、カラープリントよりもモノクロプリントの方が耐久性が高い。
大河ドラマで西郷どんが放送されているけど、いまから150年以上前の写真が残っているくらいなのだから。
家族と過ごす今という時間を少しでも長く綺麗に残すためには、中判フィルムカメラで撮るモノクロ写真というのはうってつけだと思う。
何より、カメラマンの伊藤さんやアシスタントの皆さんが、良い表情を引き出すためにリラックスできる優しい雰囲気を作ってくれるし、変わりやすい子供たちの表情も一瞬を逃さずとらえてくれる。
家族写真を撮ってもらうには、これ以上ないくらいに良い写真館ではないだろうか。
家族の写真を自分で撮るのも楽しいけれど、たまには伊藤さんに自分を含めた家族写真を撮ってもらえば、自分がそこにいる家族写真をいつまでも残していくことができるのだから。