ACROS生産終了。
前から色々な憶測が出ていたからさほど驚きはしなかったけど、今週、日経新聞がキャノンとニコンのフルサイズミラーレスへの参入を報道していた。今年中に市場に製品を投入すると。
フルサイズミラーレスを出しているのはソニーだけ。
ゼロからここまで切り開いてきたソニーはやっぱりすごいと思う。個人的には、ミラーレスというと小型軽量がメリットだと当初は感じていたけど、今はそれだけではない。
EVFで常に仕上がりイメージを確認しながら写真を撮ることができたり、AFの範囲ををセンサーいっぱいに広げたり、ミラーショックがないことからブレが減るとか、こういったことの方が一眼レフに勝るところかなぁと思う。
ソニーは当初、α7を小型軽量の路線で攻めようとしていたけど、ニーズはそれほどなかったのかα7Ⅱからはグリップの形状も大きく変わって、レンズも大きいけど画質がいいもの、という方向にシフトしてきているように思う。結局、35ミリ判センサーの画質を求めるような市場では、小型軽量のニーズよりもより良い画質に対するニーズの方が大きかったということなんだろうか。マイクロフォーサーズユーザーのニーズはもっと幅広くありそうだから、ミラーレスといっても色んなニーズがありそうだけど。
キャノンとニコンが35ミリ判ミラーレスに参入するということは、これからは、主戦場がミラーレスに移っていきそう。今年は、エポックメイキングな年になるかもしれない。
でも、それよりも驚いたのは、富士フィルムがACROSの生産を終了するというニュースだった。
これは、フィルムからデジタルへの移行の象徴的な出来事になるのではないだろうか。
これで、富士フィルムはモノクロフィルムから完全撤退することになる(チェキ用のモノクロはあるけど)。
10年くらい前には、まだヨドバシカメラでネオパンの10本セットが売っていたことを考えると、かなりの速さでフィルム事業を縮小している。
XシリーズではモノクロにACROSというモードがあるし、かなり評判もいいので、意向を決断したのだろうか。いや、それよりも単純に利益が出ていなかったからと考える方が素直かな。
富士フィルムも
”需要の継続的な減少により安定的な供給が困難となりました”
って書いているし。
僕自身も、一番使っていたフィルムではあったけど、年間に10本も使っていなかったからなぁ…。きっと数が出ていなかったんだろう。
そうすると、カラーフィルムの方も時間の問題かもしれない。
そもそも、フィルムカメラの新製品が出ていないから、フィルムを使えるカメラが減ってきているはず。ライカやハッセルなどの一部の機械式カメラを除いては、修理が困難なカメラも多い。現像できる写真屋さんも減っている。
一部では、フィルムがブームになっていると言われたりもしているけど、メーカー出荷数では減少のトレンドであることに変わりはないのだろうという気がする。
ACROS好きだったんだけどなぁ…。
とりあえず、今年の10月までは出荷されるようだから、それまでは多く使うようにしようかな。本当になくなってしまうのか。ちょっと信じられない。
400TXもあるけど、だいぶ感じは違うし。と言っても、もう選択肢がないか。
XシリーズのACROSモードは本当に同じような仕上がりになるのだろうか。ちょっと疑問だけど気になるなぁ。